大型ハリケーン「グスタフ」が米南部メキシコ湾岸に迫っている。3年前の8月29日に大型ハリケーン「カトリーナ」で壊滅的な被害を受けた「ジャズの都」米ルイジアナ州ニューオーリンズ市では、1日(日本時間2日)に予想される上陸を前に、全市民に避難命令が出された。北米が巨大ハリケーンに次々と襲われる背景として、地球温暖化の影響を指摘する専門家も多く、早急な温暖化対策を求める声は再び高まりそうだ。
「今世紀最大の嵐だ。やり過ごせると思うのは大きな過ちだ」
グスタフが接近する米南部ルイジアナ州ニューオーリンズのネーギン市長は、30日夜(日本時間31日午前)の記者会見で、約24万人の全市民に避難を命じた際、危険の大きさを強く警告した。
グスタフは、米気象当局の5段階分類で2番目の強さの「カテゴリー4」まで一時発達し、最大風速も60メートルを超えた。本土上陸は1日午後(日本時間2日午前)、ミシシッピ州西部からテキサス州東部のメキシコ湾岸になる見通しで、ニューオーリンズ付近を直撃する可能性があるという。
31日未明にいったん「カテゴリー3」に弱まったが、水温の高いメキシコ湾を北上する途中で熱エネルギーを吸収。今後再び勢力を増大させると見られている。被害を受けたカリブ海諸国では、31日までに計80人以上の死亡が報じられている。
市長の避難命令を受け、ニューオーリンズ周辺の高速道路は30日、脱出する市民らの車で大渋滞が起きた。
市内のバスターミナルには、自家用車を持たない貧困層の住民が集まり、AP通信によると、1.5キロもの行列を作った。
市内では、住居の窓に補強用の板を打ち付ける住民の姿も見られた。被害が予想される南部諸州での避難人数は約100万人に達するとの報道もあるが、避難できずに残る住民もいるとみられる。また、治安維持のため州兵も動員されている。
3年前のカトリーナ(上陸時カテゴリー3)による運河の堤防決壊で、市域の8割が浸水したニューオーリンズでは、陸軍工兵隊による決壊部分の修復はおおむね完了した。
しかし、全被災地で1800人を超える死者を出したカトリーナ級の大型ハリケーンによる洪水発生の可能性は「一部区域でカトリーナ前と変わっていない」(米ブルッキングス研究所)状況。補強工事の完了は、早くても11年の予定だ。工兵隊も「現状では脆弱(ぜいじゃく)な部分が無いとは言えない」と認めている。
ブッシュ米大統領は、カリブ海で発生したグスタフがメキシコ湾に進入する以前の29日、予想上陸地域のルイジアナ、テキサス両州を対象に早くも非常事態を宣言。30日にはミシシッピ、アラバマ両州も対象に追加し、連邦機関に支援体制の準備を命じた。
カトリーナ被災では政府の対応が後手に回り、厳しい批判にさらされたためだ。連邦緊急事態管理局(FEMA)も現地の災害対策当局者と対策を協議し、上陸に備えている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080901-00000004-maip-int